研究課題

圧延加工の3次元FEM解析

圧延加工CAEシステム

数値圧延機CORMILL Systemは、1990年に最初のバージョンがリリースされ、以来、大学ならびに数多くの民間企業で圧延技術開発の場に利用されてきました。
CORMILL Systemの開発を行うにあたって、以下の3点に特別な配慮をしています。

  1. 75年以上の歴史がある圧延理論との連続性を保つこと、つまり板圧延の高精度解析が可能であること、
  2. 棒鋼・線材、異形形鋼などへの適用が可能な汎用性を持っていること、
  3. Easy to use、かつ、ロバストなソルバーであること。

現在でもCORMILL Systemは、生産技術研究奨励会FPIS-TLOを通して11社に供与されており、圧延技術開発の現場で利用されています。

CORMILL System

CORMILL Systemは、剛塑性FEMによる3次元・定常塑性流れを解くためのソルバーと、数多くの補助プログラムより成り立っています。
現在では、民間企業のCADシステムに組み込み、圧延孔形(金型)のデジタルデザインに利用している例が多くなってきております。
これらのプログラムを組み合わせて利用することにより、ロールおよび圧延機の変形をも考慮した薄板材圧延の3次元解析から、複雑な断面形状を有する異形形鋼までを解析することができます。

CORMILL Systemを利用することによって、数多くの圧延プロセスが世界で始めて解かれました。
ペアクロス圧延によるクラウン・エッジドロップ制御もその様な圧延プロセスの一例です。クロス角の変更に伴う圧延後板プロフィルの変化が厳密に求められました。また、クロス角の変更は、等価ワークロールクラウンの影響として整理できることも判りました。

PC1PC2

BarFEM棒線材や形鋼の圧延は、古典的な圧延理論の利用が不可能な領域でしたが、CORMILL Systemを利用することによって、精度良く解を求めることができるようになりました。
社団法人鉄鋼協会製作し、頒布されている「棒鋼・線材圧延3次元FEM解析システム」において、CORMILL Systemはコアソルバーとして利用されています。

異形形鋼圧延における孔形設計でも、CORMILL System利用されています。これは、金型製造におけるデジタルデザインの典型的な例です。CORMILL Systemを核とした孔型のデジタルデザインは1998年に実用化されています。

AngleFEM

ComplexSection